日立製の洗濯機を使用中に「F02」というエラーコードが突然表示され、乾燥機能が使えなくなったというトラブルでお困りではありませんか?このページでは、「日立洗濯機 エラー f02」と検索してたどり着いた方に向けて、エラーの正確な意味や発生原因、適切な対処方法までをわかりやすく解説します。
F02エラーは単なる一時的な操作ミスではなく、洗濯機内部の乾燥ユニットに関連する重要な異常を示しているケースが多くあります。特に「乾燥できない原因として多い部品の故障」や「ビックドラムで頻発するF02の背景事情」など、モデルや使用環境によって傾向が異なるため、正しい知識が必要です。
また、F02とよく混同されがちな「給水エラー」や、「排水や脱水エラーとの違いを把握しよう」といった視点も踏まえて、間違った対処を避けるためのポイントを紹介しています。
さらに、「電源リセットでF02が解消する可能性」や、「修理費用の目安と保証が適用される条件」、「分解による自己修理のリスクと注意点」など、実用的で今すぐ役立つ情報も網羅しています。
「型番ごとに異なるF02の発生傾向を知る」ためのヒントや、「日常のメンテナンスでF02を予防する方法」まで詳しく解説していますので、トラブル解消と再発防止のためにぜひ最後までご覧ください。

- F02エラーの意味と関連する部品の異常内容
- 乾燥機能が停止する主な原因と対処方法
- 修理費用の目安と保証が適用される条件
- F02を予防するための日常メンテナンス方法
日立洗濯機 エラー f02の意味と原因を正しく知る

- F02エラーが示す洗濯機内部の不具合とは
- 乾燥できない原因として多い部品の故障
- ビックドラムで頻発するF02の背景事情
- 給水エラーと混同しがちな誤解に注意
- 排水や脱水エラーとの違いを把握しよう
F02エラーが示す洗濯機内部の不具合とは

F02エラーは、日立の洗濯機において「乾燥機能に関連する内部的な異常」が発生していることを知らせるエラーコードです。このエラーは、単に一時的な操作ミスや環境の問題ではなく、内部の部品に不具合がある可能性が高いことを示しています。
まず、F02エラーが表示された場合、洗濯機は安全のために自動的に運転を停止します。このため、洗濯やすすぎ、脱水、そして乾燥までの一連の作業が中断されることになり、日常生活に大きな支障をきたす場合があります。運転の途中で停止してしまった場合、衣類が中途半端な状態で残されてしまい、取り出しや再洗濯の手間が発生することも少なくありません。
F02エラーが関係しているのは主に「乾燥ユニット」と呼ばれる部分です。これは乾燥ヒーターや温度センサー、ファンモーター、吸気弁モーター、そしてそれらを統括するメイン基板など、いくつもの重要な部品で構成されています。これらのうちどれか一つでも異常を検知すると、F02エラーとしてエラーコードが表示されます。
以下の表は、F02エラーと関連性の高い部品とその役割、および想定される異常の例をまとめたものです。
部品名 | 役割 | 考えられる不具合の例 |
---|---|---|
乾燥ヒーター | 温風を発生させて衣類を乾かす | 断線・加熱しない・経年劣化 |
温度センサー(サーミスタ) | 温度を検知し制御する | 正しく温度を測れない・高温を誤検知 |
乾燥ファンモーター | 温風を循環させる | ファンが回らない・異常な回転 |
吸気弁モーター | 空気の通り道を切り替える(機種による) | サビや湿気による動作不良 |
メイン基板 | 各部品の制御・異常検知を行う | プログラム異常・接点不良・基板劣化 |
このように、F02エラーは「乾燥がうまくいかない」といった単純な問題ではなく、背後には複雑な電子制御や機械的な問題が潜んでいます。だからこそ、電源リセットや簡易的な清掃では解消できないケースが多く、専門業者による点検が必要とされるのです。
一方で、表にあるような部品の中には、ホコリ詰まりや湿気など、ユーザーの日頃の使い方やメンテナンス状況によって劣化が早まるものもあります。つまり、F02エラーを防ぐには部品の構造を理解したうえで、定期的な点検や掃除といった予防的な対応も欠かせません。
F02エラーは軽視できないサインです。内部構造に関する理解を深めることで、より早く適切な対処ができるようになるでしょう。
乾燥できない原因として多い部品の故障

乾燥がうまくできない場合、その原因の多くは洗濯機内部の乾燥機構にある特定の部品の故障にあります。特に日立の洗濯機では、F02エラーとして表示されることが多く、このコードが出るということは、ただのフィルターの詰まり以上の問題が起きている可能性があるということです。
最も多く報告されているのは「乾燥ヒーターの故障」です。乾燥ヒーターは熱を発生させて衣類を乾かすために必要不可欠な部品であり、断線や接触不良などが起きると、風が出ていても温風にならず、乾燥が機能しなくなります。特に長期間使用している場合や、ホコリが内部に溜まりやすい環境では、このヒーターの寿命が短くなる傾向があります。
次に多いのが「温度センサー(サーミスタ)」の異常です。このセンサーは、乾燥中の庫内温度を検知して、安全かつ効率的な温度制御を担っています。ところが、センサーが正しく温度を検知できなくなると、ヒーターが加熱を止めてしまったり、逆に過剰に加熱しようとしてエラー停止してしまうことがあります。いずれにしても、正常な乾燥は望めなくなります。
「乾燥ファンモーター」の故障も無視できません。この部品は庫内に温風を循環させるために働いています。モーターが回らなければ温風が行き渡らず、乾燥時間が長引いたり、結果として全く乾かないといった問題が発生します。また、異音がするなどの前兆がある場合は、早めの対応が望ましいでしょう。
そして、意外と見落とされがちなのが「吸気弁モーター」の不具合です。これは機種によって搭載の有無が異なりますが、特にドラム式のビッグドラムなどにおいては、空気の流れを切り替えるこのモーターの動作不良がF02エラーに直結するケースがあります。湿気やホコリによってこの部品がサビたり固着してしまうと、乾燥が機能しなくなることがあります。
以上のように、乾燥できない原因には複数の要素が関係しており、それぞれが独立して問題を引き起こすこともあれば、複合的に影響し合っていることもあります。したがって、「乾かない」という症状だけでは特定が難しいため、異常が続く場合は専門家の診断を仰ぐことが大切です。
また、ユーザーが自分で判断しにくい部品も多いため、安易な分解は避け、適切なサポートを受けることで安全に解決するようにしましょう。乾燥の不調は、部品の摩耗や劣化が背景にあることを理解し、日頃の使用方法やメンテナンスを見直すきっかけにもなります。
ビックドラムで頻発するF02の背景事情

ビックドラムシリーズを使用しているユーザーの中で、F02エラーの発生報告が比較的多く見られるのは事実です。この背景には、ドラム式特有の構造や、乾燥機能の仕組みが関係しています。表面的には単なるエラー表示の一つに思えるかもしれませんが、ビックドラムにおけるF02の頻発には、機種構造と使用環境に起因する複数の要因が隠れています。
まず、ビックドラムは乾燥性能に優れている反面、乾燥中に発生するホコリや糸くずが内部の乾燥経路に溜まりやすいという特徴があります。特に乾燥ダクトの奥にホコリが堆積し、空気の通り道が狭くなると、内部温度が異常に上がり、温度センサーやヒーターに負荷がかかることでF02エラーが表示されることがあります。
さらに、ビックドラムの一部モデルでは「吸気弁モーター」という部品が搭載されています。このモーターは乾燥経路の空気の流れを切り替える役割を果たしますが、湿気を多く含んだ環境やホコリが多い状態では錆が発生しやすく、可動部分が固着してしまうことがあります。その結果、乾燥が開始されない、または途中で停止することでF02エラーが出るといったトラブルにつながります。
以下の表では、ビックドラムにおけるF02エラーの発生に関係しやすい要因をまとめています。
要因 | 内容 |
---|---|
ホコリの蓄積 | 乾燥ダクトやフィルター周辺にホコリが詰まりやすい |
吸気弁モーターの劣化 | 湿気やサビで可動不良を起こしやすい |
部品の密集構造 | ドラム式は縦型に比べて内部構造が複雑で熱がこもりやすい |
清掃が不十分になりがち | フィルター奥や吸気口まで手が届きにくい |
使用頻度が高く負荷が集中する | 乾燥機能の利用回数が多いと部品の劣化が早まる |
このように、構造上の特徴や使用環境がF02エラーの要因となり得るため、ビックドラム利用者は特に注意が必要です。また、清掃をこまめに行っていたとしても、内部の奥深くにホコリが入り込むとユーザーでは対応しきれないケースもあります。そうした場合は無理に分解せず、専門業者に依頼するのが安全です。
ビックドラムは性能が高い反面、繊細なメンテナンスが求められる家電でもあります。エラーを未然に防ぐためには、日々の使用後に乾燥フィルターを清掃する習慣をつけること、月に1回は吸気口やフィルター差し込み口の奥を点検することなど、少しの工夫と習慣が長持ちの秘訣となるでしょう。
給水エラーと混同しがちな誤解に注意

F02エラーを初めて目にしたとき、多くのユーザーが真っ先に「水の問題ではないか」と考えてしまう傾向があります。これは、「水が出てこない」「蛇口が閉まっているのでは?」といった検索キーワードが多く使われていることからも明らかです。しかし、このような推測は誤解であり、F02エラーと給水トラブルは基本的に無関係です。
F02は、あくまで「乾燥システム」の異常を示すコードです。一方で、給水に関するエラーは「C」から始まるコード、たとえばC01やC1などで表示されます。見た目は似ていても、アルファベット一文字の違いで意味は大きく異なります。これを混同してしまうと、的外れな対処をして時間を無駄にするばかりか、必要な修理を遅らせてしまうリスクもあります。
例えば、「水が出ない」「ホースが詰まっているかもしれない」と思って、給水口や蛇口を確認したり、ホースを外して掃除するユーザーも少なくありません。しかし、F02エラーの場合、それらの作業はまったく意味を持ちません。なぜなら、エラーの原因が水の流れではなく、乾燥用の温風や内部センサー、あるいはファンなどにあるからです。
この誤解を避けるには、「エラーコードの頭文字」に注目することが有効です。Cで始まるコードはユーザーでも対応可能な軽度の通知であることが多く、FやAで始まるコードは内部の部品異常を示すため、原則として専門的な修理が必要になるという見分け方を覚えておくと良いでしょう。
また、「乾燥ができない=水が出ない」と短絡的に結びつけてしまう人もいますが、実際には乾燥工程では水は一切使われません。したがって、F02エラーを水まわりの問題と捉えてしまうのは根本的な誤認です。
このような誤解を防ぐためには、日立の取扱説明書や公式サポートページを参考にし、表示されたコードの意味を正確に把握する姿勢が大切です。見慣れないエラーが出たときほど、冷静にコードの意味を確認することで、正しい対処に繋がります。
一見些細に見える誤解が、実は修理費用や機器寿命に大きく影響することもあります。だからこそ、エラーコードの見極めと正しい判断力が重要なのです。
排水や脱水エラーとの違いを把握しよう

日立の洗濯機で表示されるエラーコードには、種類ごとに意味が明確に分かれています。その中で「F02」は乾燥ユニットに関連する不具合を示すものですが、似たような状況で表示されやすい「排水」や「脱水」に関するエラーと混同されるケースが少なくありません。エラーの種類と原因を正確に区別しておくことで、無駄な対処を避けることができ、スムーズな解決に近づけます。
例えば、排水エラーとして表示される「C02」は、排水ホースの詰まりや排水口の異常が原因で起こるものです。洗濯槽の水がうまく排出されないと、C02が表示され、運転が自動停止します。この場合は、排水経路の清掃やホースの確認が必要になります。一方のF02は、水の流れとはまったく関係がなく、乾燥時に空気が流れない、ヒーターが作動しないなどの「空気の循環」や「熱の発生」に関わる異常です。
脱水エラーである「C04」もまた、F02とは原因が異なります。C04は、洗濯槽内の衣類の偏りや量の問題で発生することが多く、偏りを検知した際に自動で補正運転を行い、それでも解消しないとエラー表示されます。脱水エラーは機械のバランス制御に関係しているため、衣類の入れ方や機体の水平設置などが影響します。
これらの違いを整理した表が以下です。
エラーコード | 発生原因 | 対象機能 | 主な対処法 |
---|---|---|---|
F02 | 乾燥ユニットの異常(ヒーター、ファンなど) | 乾燥機能 | 電源リセット、フィルター清掃、修理依頼 |
C02 | 排水詰まり、排水ホースの不良 | 排水機能 | 排水口・ホース・糸くずフィルターの清掃 |
C04 | 洗濯物の偏り、量のバランスが悪い | 脱水機能 | 衣類の配置調整、洗濯物の量を調整 |
このように、エラーコードはそれぞれ対象となる機能と発生の仕組みがまったく異なります。F02が乾燥機能に特化した内部異常であるのに対し、C02やC04は外部的な環境や操作によって起こるものです。だからこそ、エラーコードの意味を誤って判断してしまうと、原因に合わない対応をしてしまい、かえって状況を悪化させる可能性もあります。
日立の洗濯機では、エラーの頭文字を見るだけで、おおよその原因の方向性をつかむことができます。「C」は比較的ユーザーで対応可能なエラー、「F」は内部的な不具合が多く、専門的な対応が必要とされる傾向があるという見方は、非常に有効です。今後エラーが表示された際は、焦らずコードを確認し、正しい対処へとつなげていきましょう。
日立洗濯機 エラー f02の対処と修理・予防策
- 電源リセットでF02が解消する可能性
- 修理費用の目安と保証が適用される条件
- 分解による自己修理のリスクと注意点
- 型番ごとに異なるF02の発生傾向を知る
- 日常のメンテナンスでF02を予防する方法
電源リセットでF02が解消する可能性

F02エラーが表示されたとき、まず最初に試すべき対処法の一つが「電源リセット」です。これは、洗濯機本体の電源プラグを一度コンセントから抜き、一定時間を置いてから再び差し込み直すという簡単な作業です。操作も難しくなく、特別な道具も必要ないため、誰でも自宅で試すことができます。
なぜ電源リセットが有効かというと、洗濯機の制御基板に溜まった電気的な誤動作や、一時的なセンサーの異常検知が、再起動によってクリアされる可能性があるからです。F02エラーがソフトウェア的な一過性の問題であれば、この方法だけで正常に戻ることもあります。実際、日立の公式情報でも、修理前に電源リセットを試すよう推奨されています。
ただし、ここで注意しておきたいのは、電源リセットで直るケースは「例外的」であるという点です。F02エラーの主な原因は、乾燥ヒーターの断線やファンモーターの不良など、物理的な部品の劣化や故障であることが多いため、リセットだけで根本的に解決する可能性は高くありません。
この方法でエラーが一時的に消えたとしても、数日後に再び同じF02エラーが表示されることもよくあります。そのような場合は、やはり専門の修理業者に相談する必要があります。リセットで解消しない場合、無理に運転を続けると、内部の部品にさらなる負荷をかけて故障を悪化させることにもなりかねません。
電源リセットは「最初に試すべき手段」ではありますが、「根本解決ではない可能性が高い」という前提を持って取り組むことが大切です。再発や異常動作が続く場合には、速やかに専門のサポート窓口へ相談するようにしましょう。安全で確実な対応が、結果的に費用面や時間の節約にもつながります。
修理費用の目安と保証が適用される条件

F02エラーが表示され、電源リセットやフィルター清掃を試しても改善しない場合、修理を検討する段階に入ります。特に乾燥機能が停止していると、生活への影響が大きく、早期対応が必要になることも多いでしょう。ただし、気になるのが修理にかかる費用です。洗濯機の修理は内容によって高額になる場合もあるため、事前に目安を把握しておくことは非常に重要です。
日立が公開している情報をもとにすると、F02エラーに関連する修理費用はおおよそ以下のようになります。これは、乾燥ヒーター、温度センサー、ファンモーター、メイン基板など、F02エラーの原因としてよくある部品の交換を伴う修理が前提です。
洗濯機のタイプ | 修理内容の一例 | 修理費用の目安(税込) |
---|---|---|
ドラム式洗濯乾燥機(BD-**) | 乾燥ユニット部品、基板交換など | 約46,000円~66,000円前後 |
縦型洗濯乾燥機(BW-D**など) | 乾燥ファン、ヒーター、基板の交換など | 約36,000円~52,000円前後 |
この費用には、技術料・部品代・出張費が含まれており、出張料だけでも約3,850円(税込)が加算されます。また、修理をキャンセルした場合でも、出張と診断だけで約5,830円(税込)を請求されるケースがあるため、依頼のタイミングや判断は慎重に行いたいところです。
ここでポイントとなるのが「保証の有無」です。メーカー保証や販売店の延長保証が有効な場合、修理費用が無料、または一部免除される可能性があります。
日立製品の標準保証期間は通常1年間ですが、家電量販店などで購入した場合、5年~10年の延長保証に加入していることがあります。保証書には「保証対象条件」や「免責事項」が明記されているため、必ず内容を確認しておきましょう。
ただし、以下のようなケースでは保証対象外となり、全額自己負担になることがあるので注意が必要です。
- 自己判断で分解・改造を行っている
- 誤った使用方法で破損した
- 落下や移動中の衝撃による破損
- 火災や地震、雷などの天災による故障
また、部品の保有期間も忘れてはならないポイントです。日立では製造終了後6年間は補修用部品の在庫を確保していますが、それを過ぎた製品は修理が不可能になる場合があります。
このように、F02エラーの修理にはある程度の費用が発生する可能性がある一方で、保証を上手に活用すれば、負担を大きく軽減することも可能です。修理依頼前には、保証書の確認とともに、型番・購入日・エラーの詳細を整理しておくと、対応がスムーズに進みます。
分解による自己修理のリスクと注意点

F02エラーが表示されると、「もしかしたら自分で直せるのではないか」と考える方も少なくありません。特にネット上では、「分解してホコリを取ったら直った」という体験談を見かけることもあるため、自分で対処してみたくなる気持ちは理解できます。ただし、日立の洗濯機に関しては、ユーザーによる自己分解は極めてリスクが高く、基本的には行うべきではありません。
まず、洗濯乾燥機は水と電気を扱う複雑な家電製品です。ドラム式洗濯機などは特に構造が入り組んでおり、分解のためには精密な知識と専門的な工具が必要です。もし誤って部品を外してしまったり、配線を傷つけてしまえば、F02エラー以外の新たなトラブルを招く可能性すらあります。
また、分解中に感電や水漏れを起こすリスクも否定できません。乾燥ユニットやヒーター周辺には高電圧がかかっている場合があり、作業を誤れば重大な事故につながる危険性もあるのです。仮に作業が無事に終わったとしても、再組み立てがうまくいかないことも多く、最終的に本来より高額な修理費用が発生するケースもあります。
さらに見落としがちなのが、「メーカー保証の無効化」です。保証期間内であっても、ユーザーが勝手に製品を分解した場合、ほとんどの保証は適用外となります。これは日立だけに限らず、ほぼすべての家電メーカーが共通して定めているルールです。保証が切れている場合でも、分解が原因で修理ができなくなる可能性もあるため、自己判断での分解はおすすめできません。
一方で、乾燥フィルターの清掃や電源リセットなど、取扱説明書に記載された範囲内で行える作業は安全です。これらはメーカーも推奨しており、実際にエラーが一時的に解消することもあります。しかし、それ以上の対応、たとえば乾燥ユニットの分解や内部ファンの清掃といった作業は、信頼できる修理業者や日立のサポート窓口に依頼すべきです。
自己修理は一見コストを抑えられるように見えて、実際にはリスクや損失のほうが大きくなる場合がほとんどです。安全性と将来的な費用を考えた場合、専門家に任せることが最も賢明な判断であると言えるでしょう。
型番ごとに異なるF02の発生傾向を知る

F02エラーは、日立の洗濯乾燥機全般で発生する可能性のある乾燥ユニット関連の不具合を示すエラーですが、実はその発生傾向にはモデル(型番)ごとに違いが見られます。つまり、どのモデルを使っているかによって、F02エラーの起きやすさや原因の傾向が少しずつ異なるのです。これは、機種ごとの構造や部品配置、空気の流れの設計などが影響していると考えられます。
まず、日立の洗濯機は大きく分けて「ビッグドラム」シリーズ(BD-型番)と「ビートウォッシュ」などの縦型乾燥機シリーズ(BW-D、NW-Dなど)に分かれます。ドラム式は高性能で乾燥機能に優れている反面、構造が複雑でホコリがたまりやすく、F02の発生率が比較的高い傾向にあります。一方、縦型モデルは構造がシンプルなため、F02の発生頻度はやや低めですが、乾燥使用頻度が高い場合やフィルター掃除を怠った場合には、やはりF02が表示される可能性があります。
また、同じシリーズ内でも製造年や仕様によって内部の構造や部品の耐久性が異なるため、新しいモデルでは改善されているものの、古いモデルほどF02エラーが出やすいというデータも見られます。
以下の表では、型番ごとのF02エラー発生傾向の概要を比較しています。
型番・シリーズ | 特徴 | F02の主な発生要因 | 発生傾向 |
---|---|---|---|
BD-(ビッグドラム) | ドラム式・乾燥力が強い | ホコリ詰まり、吸気弁モーターの不良、過熱 | 比較的多い |
BW-D(ビートウォッシュ) | 縦型乾燥機・スリム設計 | ヒーター劣化、センサー不良、清掃不足 | 中程度 |
NW-D(縦型簡易乾燥) | 乾燥機能が簡易・使用頻度が低め | 長期使用によるヒーターや基板の劣化 | 少なめ |
このように、F02エラーは機種ごとに出やすさが異なり、ドラム式では乾燥機構が複雑なため、複数の部品にわたる不具合が重なりやすい傾向にあります。特に吸気経路の設計や排熱の効率によっても部品の負担が変わるため、設計上の違いが直接エラーの出やすさに影響していることが分かります。
加えて、同じ型番でも個体差があるため、使用年数や使用頻度、設置環境、清掃の習慣といった「ユーザーの使い方」がエラー発生の決定要因になることも多いです。日立の洗濯機を使用していてF02エラーが出た場合は、まず型番を確認し、その機種特有の傾向を踏まえたうえで対処を検討するのが賢明です。
日常のメンテナンスでF02を予防する方法

F02エラーは突発的に発生するイメージがありますが、実は日頃のメンテナンス次第で予防できる可能性が高いエラーです。特に乾燥機能をよく使うご家庭では、乾燥ユニットにホコリがたまりやすいため、こまめな手入れがF02のリスクを減らす鍵になります。少しの習慣が、将来的な高額修理の回避につながることを考えると、予防的なケアの重要性は決して軽視できません。
まず最も重要なのが「乾燥フィルターの清掃」です。乾燥運転のたびに発生するホコリや糸くずがこのフィルターに集まるため、ここが詰まると空気の流れが悪くなり、乾燥効率が落ちるだけでなく、温度センサーが高温を検知してF02を引き起こすことがあります。できれば乾燥機能を使用するたびにフィルターのホコリを取り除くことが理想です。手で取り除いたあと、掃除機のノズルで軽く吸うだけでも効果があります。
また、乾燥フィルターの奥や差し込み口周辺にもホコリが溜まりやすいため、月に1回程度、懐中電灯などで奥をのぞき込み、目に見えるホコリがあれば掃除機や専用ブラシで取り除くことが望ましいでしょう。無理に奥まで突っ込むのは故障の原因になるため、手が届く範囲で丁寧に作業することがポイントです。
そのほか、排気口や吸気口にも注意が必要です。これらの開口部がホコリで塞がれると空気の出入りがスムーズに行えず、乾燥ユニット全体に負荷がかかります。洗濯機の背面や側面に設けられていることが多いため、床との隙間に溜まったホコリや壁との距離も確認しておきましょう。
また、洗濯物の詰めすぎも避けるべきです。容量以上の洗濯物を詰め込むと、乾燥時の空気の循環が妨げられ、部品に無理な負担がかかります。取扱説明書に記載された容量を守ることで、機械全体の負荷を減らし、長く快適に使うことができます。
このように、F02エラーは発生してから対処するよりも、日々の簡単な手入れで「起こらないようにする」ことが現実的かつ効果的です。時間も手間もさほどかかるものではないため、ぜひ習慣にして、洗濯機を長く安全に使える状態に保ちましょう。
総括:日立洗濯機 エラー f02に関する重要ポイントまとめ
記事を総括しました。
- F02エラーは乾燥機能に関連する内部異常を示す
- 洗濯・脱水・乾燥すべての動作が停止する可能性がある
- 主な原因は乾燥ヒーターや温度センサーの故障
- 乾燥ファンモーターや吸気弁モーターも不具合の対象となる
- メイン基板の異常でもF02エラーが発生することがある
- ホコリの蓄積や湿気が部品劣化を早める要因となる
- 電源リセットで一時的に改善するケースもある
- 自己判断での分解は事故や保証無効のリスクがある
- ビックドラムは構造上F02が発生しやすい傾向がある
- 吸気経路の詰まりやモーターのサビが故障に直結する
- 給水系のトラブルとは無関係なので混同に注意が必要
- 排水や脱水エラーとは異なる原因メカニズムである
- 修理費用は3〜6万円程度が目安で保証適用で軽減可能
- 型番や使用環境により発生頻度や原因部位が異なる
- 日々の乾燥フィルター清掃がF02予防に最も効果的